ワイヤーのお話
ワイヤーのお話(ミュージックワイヤー)

ミュージックワイヤとは

現在のピアノ弦(ストリング)にはピアノ線が使われています。しかし、ピアノメーカーや調律師の方々は、このワイヤをミュージックワイヤと呼び、ばねなどに用いられる一般のピアノ線と厳然と区別しています。事実、このワイヤは鋼の中でも最高品質の鋼を用いるとともに、一般の工業用ピアノ線とは異なる厳しい規格・製造工程で造られており、ピアノが楽器の王様ならば、ミュージックワイヤはピアノ線の王様とも言えるでしょう。

ピアノ弦は何本でしょうか

現在のピアノに使われる弦の本数は230本前後です。ピアノによって多少異なりますが、ひとつの例としては、そのうち189 本が中音部から高音部にかけての裸線で、低音部にシングルの巻線(ミュージックワイヤに0.2~1.9mmの銅線を巻いたもの)が32 本、さらに低音部にはダブルの巻線(銅線を二重に巻いたもの)がおよそ9 本用いられています。

現在のピアノの鍵盤数は88ですから、鍵盤の数と弦の本数は一致しません。つまりピアノはひとつの鍵盤で複数の弦を叩くようになっており、弦の本数は中音部から高音部は1鍵盤につき2 ~ 3 本で、低音部では1~ 2 本となっているのです。弦の太さは低音部から高音部にかけて次第に細く、長さは次第に短く設定されていますが、弦1本あたり平均60~100kgf前後の張力がかけられ、230本を合計すると20トンもの張力になります。

いつ頃、どうしてそうなったのでしょうか

ミュージックワイヤの歴史はピアノの歴史と密接に結びついています。したがって、ミュージックワイヤの歴史を知るには、ピアノの歴史を知ることの方が先決かもしれません。しかし、ピアノの歴史に関して多くのウェブサイトで紹介されていますので、あえて逆にワイヤの面からたどってみましょう。

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